需要と供給を左右する要素ー雇用

需要を推察する際、雇用の視点から区域を捉えることが、とても重要な要因となるでしょう。近隣に大きな工場があり、1,000人単位での雇用があるとしましょう。その区域に、勤労可能な年齢の男性が働きに集まるということは、需要にどのような傾向を生み出すでしょうか。そのうち多くの人々が、通勤時間を割かずに住むよう、近場に住む可能性を考えれば、それなりの住宅物件の需要を見込むことができます。大まかにいって、雇用のあるところに、人は集まると言えます。

需要が一定数見込めるといって、むやみに供給を増やせばいいということはありません。地価など他の条件において優良であるような土地の場合、あなたにはライバルが現れるでしょう。それだけ物件数、つまり供給は増加します。同業者との駆け引きの中で、自分の物件の入居率を上げようと、優遇を過剰にしてしまった結果、コストに見合ったリターンが得られない……それでは競争の勝ち負け以外には何も残りません。

幸い、同業他社はこの求人の多い地域に目をつけていないようだ……、その場合であっても、あなたはその雇用の安定性、持続性を考慮しなければなりません。雇用を行っているのは、一部上場の、歴史と信頼のある企業だろうか。それとも最近ニュースを賑わせている分野の、新規参入企業でしょうか。あなたはその地域において、現状、雇用を生み出し続けている企業が、長いスパンで考えて家賃収入をプールし続け、十分にコスト回収が可能なほど持続しえるものであるか、そもそも企業側の体質として、短期集中型の営利を得意としていないか、などの視点からのリサーチをも行わなければならないのです。