賃貸物件の場合ーⅠ需要を推察する

賃貸物件をサンプルとして、需要と供給の把握の方法を見てみましょう。この場合、需要とは部屋を探している人の数であり、供給はマーケットに出ている物件の数ということになります。ある区域において、賃貸物件を取引すべきかどうか検討する際、部屋を求めている人が多くいるにも関わらず、マーケット上に物件が潤沢に存在しないため、入居がスムーズに行われていない、というのは一つ、理想的な状況です。

供給の把握は、比較的容易なものです。それはスーパーマーケットで、オレンジジュースが何本ストックされているか、数えるようなものですので、手間ではありますが、具体的かつ正確なデータが得やすい。しかし需要はどうでしょうか。オレンジジュースを飲みたいと思っている人数を、把握できるでしょうか。今オレンジジュースを欲している人は、明日も同じように思っているでしょうか。需要の把握のためには、例年当月のオレンジジュースの売れ行きや、リンゴジュースやビールとの収益の比較など、複数の視点にたったデータが必要となるのです。

賃貸物件であれば、需要を見抜くための判断基準として、例えば該当区域における入居率、空室率を調べるべきであると思われます。高い入居率は、需要の高さを、低い入居率は、需要の低さを示している可能性が高いと言えます。また、入居に際して得られる優遇を喧伝している場合、需要は低くなっている可能性が高いと言えます。需要が高ければ、提供側はわざわざ優遇を謳う必要はあまりないだろうと、そう考えるのが普通です。